たまりば

  日記/一般 日記/一般  立川市 立川市


2013年04月16日

フェリーで出逢った女

  
 今から10年ほど前の11月中旬のことでした。旅回りの仕事で
青森市のデパートで開催していた「全国旨いもの大会」で
辛子明太子を販売しておりましてとても好調に売れておりました。
この催事で知り合いの同業者から旭川のデパートでの物産展
を頼まれ行くことを約束をいたしました。
                

 とっぷりと日が暮れた冬の青森フェリー埠頭へ車を走らせました。
今回の仕事の旭川は始めてなのですが妻が青森での仕事のため
一人旅となったのです。
岸壁には五千トンの「べえだ丸」がその大きな巨体を浮かべていました。
商売道具を積んだワゴン車を船の積載スペースに収め船室にはいったのです。
やがて本州の地をゆっくりと離れる船。
一抹の心寂しい感傷的な気持ちにになっちゃいました。

 船室といっても大きな部屋で、ごろ寝がてきるようでところと゜ころに木箱に
入った灰皿が置いてあるのです。
旅なれた人は毛布に身をくるんで横になっている姿も目にはいり
私は船窓から青森の灯りがゆっくりと流れていくのを酒を飲みながら
それを追っておりました。
軽い酔いに誘われて船内の自販機で二本目のワンカップを買ったのです。
そこには30過ぎの小奇麗な女性も買い求めていたのです。私は咄嗟に

「よかったらご一緒に飲みませんか」

女性は無言で一緒に付いて窓側の場所に差し向かいに座り飲んで
おりました。女は私に

   「どこから来たの?まさかこんな時期に観光旅行じゃないよね」

「そうですよね、こんな時期に仕事で旭川まで行くんです」

こんな会話から話がすすみ彼女は由美さんといい札幌在住の
デパートのマネキンをしているとのことでとても奇遇な感じと親近感も
持ちました。酔いの勢いもあって

「由美さん旭川西武の物産展なんだけど手伝ってくれない」

   
      「いいけど、あそこは売れないよ」

そんな会話から追加料金をだして特二等室に移りいろいろ地元の
情報などを教えてもらったのです。

フェリーが苫小牧に着いたのは午前四時ごろでした。
由美さんを同乗してのはじめての道央道。
冬の夜明けは遅く千歳付近で真っ赤な太陽が顔を見せた。
高速を走っていてチョツト心配になったのはスタッドレスタイヤで
なかったことで雪のないことを祈る気持ちでした。
札幌を過ぎるころにはすっきりとした青空でとても気持ちがいい。
岩見沢というところを過ぎるころから天候が急変しなんと雪になりさらに進む
圧雪路になり砂川では吹雪模様で速度を落とし慎重な運転をした。
やがて長い下り坂へ入る。無意識のうちにギャーダウンしたらアットいう間
に車が大きく左へ回転し一回転半して止まった。

   「キャー!」

由美さんの悲鳴がした。そしてその一瞬、車は大丈夫かとおもったが幸い
にも無傷でセンターガードレールのほんの少しのところで停止した。

   「チェーン付けなくっちゃ」

そこで次の滝川インターを出てチェーを買い求め装着して再び高速で
旭川へと向い無事に到着したのでした。

由美さんとは同じ宿をとり今回の勝利を願って乾杯。

仕事場となる催事場所は地下一階の食品売り場の一角に設けられた
小規模のイベントのようでした。
開催日よりお客様の入りはよくなくなんとなしに活気に欠けるムード
で由美さんが言ったように売り上げに期待できない感じでした。
この催事場には古参のマネキンさんがいて私たち二人の関係を
探索するような目で見ていたのです。
フェリーで知り合っても男女の仲ではなくお互いに同業者としての
気持ちだったので大手を振って販売したのです。
由美さんは午後の暇なときには

「社長、旭川は始めてなんだから売り場は私に任せて町を見て
 くればいいよ。そうそう旭川ラーメンは有名だしいってらっしゃい」

私は寒々とした町中を散歩し北国の何か寂しそうな感じを覚えながら
あてもなく歩きました。

吹雪の日もありましたがあっという間の一週間でした。
販売熱心な由美さんに支えられながら何とか売り上げは確保できた。
カラッとした爽やかな由美さんだからお客様に好感を持たれたと思う。
由美さんのお陰だ。
私の同業者の中には札幌によく行く人もいる。この人たちに由美さんを
紹介しよう

  「札幌にマネキン由美有り!」

そんな気持ちだった。電車で一時間ちょつとの札幌だからという彼女を
旭川駅で見送る。

「元気でな。またどこかで仕事しょうよ!」 













参加しています
face02立川情報をクリックして頂けると嬉しいです!
                   にほんブログ村 地域生活(街) 東京ブログ 立川情報へ


**********                    
巡回ブログ
**********
☆ 整体屋の癒し日記  http://blog.livedoor.jp/seitaisikoyuri/

☆ タクシー運転手の日記 - Japanese Taxi Driver's Log -
   (関西郊外のドライバーさん) 
              http://cooldriver-in-kansai.blogspot.com




  • Posted by takachan  at 13:26 │Comments(7)

    この記事へのコメント
    あらためてkantiさんこんにちは。
    冬の早い北海道を知らずにいった私の愚かさで一回転半のスリップには肝を冷やしました・・・。
    でもとても楽しい一週間の旭川でした。
    Posted by takachan at 2013年04月18日 09:32
    こんにちは、nacoさん。
    寅さんとマドンナの感じとてもいいですね。
    そんな雰囲気の一週間でした。ただ北海道の雪には驚かされました。
    私も何軒かの旭川ラーメン食べて大満足でした。
    Posted by takachan at 2013年04月18日 09:27
    寅次郎とマドンナ役の浅丘ルリ子を思い浮かべました。

    旭川にはサラリーマン時代に出張で2~3回行きました。なんといっても旭川ラーメンが美味かった。北海道のカラリとした空気が味を引き立ててくれました。

    旅はいいですね。
    Posted by nako at 2013年04月17日 23:54
    こんにちは、kantiさん。
    爽やかな季節になりましたね。
    コメント部分の調子が悪くて書いたものが弾かれましてすみません。
    Posted by takachan at 2013年04月17日 17:20
    いろんな経験をされていますね。
    毎回面白くブログを拝見しています。
    自分の人生を振り返ってもそんな経験は皆無ですから(^ー^;

    しかし、スタッドレスタイヤでは無しに北海道の雪道を
    走ったとはいやはや。
    事故がなかったのはラッキーでしたね。

    旭川には学生時代(今から30年以上前)に一度だけ旅行で
    行きましたよ。
    ラーメンは美味でありました。
    Posted by kanti at 2013年04月17日 17:02
    koyuriさん、せっかくのコメントなのにご迷惑かけてすみません。
    私もぶろぐ更新の際たまに同様なことがあり悩みます。
    このサイトの何かの特性でしょうか。
    Posted by takachan at 2013年04月17日 06:29
    普通の言葉を書いてるだけなのに、「入力禁止の単語が含まれています」とコメントを蹴られてしまうのは何故なんでしょうね。
    Posted by koyuri at 2013年04月16日 21:43
    上の画像に書かれている文字を入力して下さい
    <ご注意>
    書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。


    削除
    フェリーで出逢った女
      コメント(7)