たまりば

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Posted by たまりば運営事務局  at 

2009年06月28日

引き潮

 どうも私たち人間の体と月との間に何か不思議な係わり合いがあるように思うのです。
よく満月の夜には血が騒ぐとも申します。殺人事件なども満月に近い頃に起きるような話も聞きます。不思議なことに私の商売の大判焼きも満月に近くなると売上げが良いのです。気のせいでしょうか・・・。
                         
 私の幼少の頃の記憶なのです。
ある時、祖母に連れられて岩手県の一関という街の親戚らしき家に行ったのです。
 そこは古くからの大きな商家のようでした。祖母と一緒に奥の薄暗い大きな部屋に入ったのです。布団の中にお婆さんが横たわっておりました。
その周りをかこむように家族とか親戚の人達が沈んだ様子で座っていました。私達もそこに加わったのです。
布団の側には肥った眼鏡をかけたお医者さんがいたのです。その医者が見守っていた家族の人に

  「残念ですが長くはないようで・・・」

家族のおばさんが、お婆さんを覗き込むようにして

     「おばあさん、ほんとにご苦労だったねぇー」

そう云うとお婆さんの鼻から赤い血が流れ出てきたのです。

 誰かが

    「今日の干潮は何時だぁー」

すると家族のひとりが暦を見にいきました。

       「今晩の8時でがんす」

    「んじゃ、がん屋(葬儀屋)たのばねべば・・・・」

 親戚のお婆さんは、その夜みなんに見守られる中、大きくフゥーと息を吸ったのが最後でした。                   


    
   
        この、お婆さんのことは今でもとても鮮明な記憶として残って
          いるのです。      


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  • Posted by takachan  at 09:55Comments(6)

    2009年06月21日

    女王蜂

     今回はbar女王蜂が舞台です。まずはその場所のご説明を少しいたしましょう。この近くには以前、米軍立川基地の正門がありました。その当時から基地に近いこの通りをシネマ通りといいまして夜ともなりますと兵士たちでとても賑わっていたのです。しかし20年ほど前にこの基地が日本に返還されて米軍がいなくなったのでございます。そして今ではこの細い路地の両側には昭和時代のレトロな雰囲気のberが何件か残って営業しているのです。  
              
     タクシーの無線配車で行ったber女王蜂はこういった細い路地の中にございました。乗ってきましたお客様はヨレヨレの作業服の方でした。

      「東久留米まで6000円で行くかなぁー」

     この言葉を聞いて少々不安になったのです。

        「東久留米までならギリギリのところですねぇー、お客さん」

     発車してしばらくはこの方、女王蜂の愚痴をこぼしていたのです。

      「まったく、すっからピンにならなくてよかったよ」

     聞けば、そのママは50を過ぎた下腹の出た金目鯛のような人だそうです。ところが話題が豊富で飽きさせません。そばには30代の少し可愛い感じのホステスさんが付いたそうです。ママの話は占いから始まり人生相談そして下ネタまでしっかり、時のたつのもアッという間だったようです。そして勘定の段になりまして

         「3万円」

     金目鯛のママさんが手を差し出したそうです。

        「ママ、そんなに持ってないよ俺・・・・・」

          「あら○○ちゃん、いくら持ってんのよー」

       「3万円しか・・・・。でも、この時間だとタクシーで帰らなければないしなぁー」

          「しょうがないねぇー、じゃータクシー代残してあげるからあとは全部払いなさいよ、まけとくよ」

    ですって・・・・・・・・。

     まぁーまぁー、このママさんのお勘定の頂き方上手ですよね。こういうberって定価はあってないようなものなのです。でも、この女王蜂どう云う訳か繁盛しているんです。

    そしてこの男性のお客様、降りる頃には

      「また、ママの顔みにいこうーっと」

                 どうも男心もよーく分かりません。





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     大判焼きの旅日記 今日は東に明日は西 涙と笑いのお話です。
       まぐまぐから発行中〃

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  • Posted by takachan  at 06:38Comments(10)

    2009年06月15日

    老齢の美しい夫婦愛

    時々アルバイトでやっている病院の送迎バスがテーマです。

     Sさんは70半ばの男性の患者さんです。三ヶ月ほど前まではご自分でバスの乗降が出来たのですが今では歩行が困難になり車椅子での通院になっております。そしてさらに最近では車椅子に座っても体がしっかりしなくなりヘッドレスや太いベルトで固定して乗車していただいているのです。Sさんの送迎にはいつも奥様が介護のため同乗いたします。先日、車内での奥様との会話で

       「奥さん大変ですよね、体大丈夫ですか。疲れるでしょヘルパーさんお願いしたらどうでしょう・・・・」

     70才を過ぎた細身の奥様は         


         「でも、お父さんには40年間、一生懸命頑張って働いてもらいましたから・・・」

     奥様のお話ではSさんは偶然にも都内で個人タクシーをなさっていたとの事で私はなにか親近感のようなものを感じたのでした。そしてタクシーで相当無理をしたのかしらとも思ったのです。病院から15分ほどのこじんまりとした分譲住宅がお住まいです。自宅に到着いたしますとバスから車椅子に乗ったSさんをリフトで降ろして玄関先まで移動させます。ここからが大変なのです。二段ほどの階段を車椅子ごと上げるのです。
     家では娘さんも手伝うのです。車椅子を降りると歩行が出来ませんので娘さんが両手でしっかりと体を支えます奥様はSさんの足に手をかけ左右一歩づつ前に出させるのです。今では奥様、娘さん二人が腰を痛めたので腰にサポーターを巻いての懸命な介護になってまいりました。

      


  • Posted by takachan  at 09:03Comments(4)

    2009年06月07日

    恐怖と不安の六時間  その2

     
     ツーマン乗務で幾分緊張がすくなくなった。しかし車内は無言で張り詰めた雰囲気だった。
    ときおりカチャ、カチャと刃物の音が無気味に聞こえた。
    この状態を少しでも変えようと山川さんと会話を交わした。突然男が云った。

    「石巻まで云ってください」  

     石巻といえば仙台からさらに北上する。すかさず山川さんが相当な金額になるので内金お願いしますと云った。  
    大泉IC近くになった。コンビニに寄りたいとのことでそこで止め、ここまでの料金、約一万円を支払ったので少し安心した。高速に入り東北道を進む。途中PAで運転交代を言うと、そのまま走れという。そして刃物のカチャ、カチャガ聞こえた。しかし郡山を過ぎたあたりで車両点検を
    理由に強引に安達太良PAにはいった。その後、宮城県に入り管生SAで交代、料金は九万円ほどになつた。車は北上し仙台南から三陸道に入る。ここから五十Kほどで石巻だ。この東北地方はかって旅回りの仕事でよく走っていたので地理には詳しい。
    やがて「石巻IC」「石巻港IC」の標識がみえた。

      「どちらのICでおりますか」

    返事がない。しばらくして 

      「港に行ってください」

    石巻港ICを出ると東埠頭、中央埠頭の看板が目にはいった。

       「港のどこへ」

     しかし返事がない。そのうち郊外へ行け、マンガ館だ、食堂だとかわる。いよいよ最悪のケースかと心臓が高ぶる。知らない町をぐるぐる走る.
    と、そば屋があつた。

       「お客さん、そば屋ですよ」  

          「ここで降ります」

    男はビニール袋からしわしわの封筒を出し料金128130円を払い、降りたのです。あっけない幕切れでした。
    午後4時を少し過ぎたころでした。

        













        
                                   石巻まんが館




      


  • Posted by takachan  at 06:04Comments(6)