2013年07月26日
夏の夜の怪談・・・
暑い夏にはこれにかぎります。とってもこわーいお話なんです。
その話とは・・・。それは何年か前の夜のことでした。丁度いまごろの季節だったと思います。
空車で甲州街道を新宿に向かって走っていたのです。小雨が降り前がとても見にくい夜でした。
笹塚の歩道橋の下で30ぐらいの女性が傘もささずに手をあげたので、お乗せしたのです。
「どうぞ、どちらまで参りましょうか」
「外苑墓地までお願いします」
とても、よわよわしい声で云いました。
しばらくして女性はシクシクと泣き出したのです。
なにか車内には陰気な雰囲気になりました。
新宿の雑踏をすぎタクシーはやがて墓地下まで来たので
「お客さん、どのあたりで止めましょう」
しかし返事がありませんでした。
不気味に思って車を止め後部座席をひょいと見ると乗っているはずの女性が居ないのです。
そしてよく見ると座席がビッショリ濡れていてなぜか長い髪の毛が数本落ちていたのでした。
実はこの話はタクシー業界で昔から伝わっている創作怪談なのです。
古い運転手の方ならほとんど知っているんです。私は、たまにお客様から
「運転手さん、何か怖いおもいした事なあーい」
と云われますと、この話を声を一段おとして話すのです。若い女性のお客様には、
こんなセリフを付け加えてサービスいたします。
「あの晩は、お客様のようなキレイな方をお乗せしましてねぇ・・・」

※この記事は2008・6
アップしたものを一部修正したものです。
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